ヨルシカの書簡型小節「二人称」が発売され、1か月以上が経過しました。
この記事ではそんな「二人称」の解説と感想を記したいと思います。
タイトルにもある通りこの記事ではネタバレを含みますのでご注意ください
商品概要
二人称公式サイトではこのような語りから始まります。
貴方の目の前に一通の茶封筒があります。
封を開けて中身を確認すると、折りたたまれた数枚の原稿用紙が入っているのが見えました。
貴方はふと、それに目を通したいという衝動に駆られました。
以下、同二人称公式サイトより。

二人称/ヨルシカ
著者:n-buna
発売日:2026年2月26日(木)
本体価格:7,700円(税込8,470円)
商品構成:外箱(315㎜×315㎜×55㎜)
封筒×32通
手紙×約170枚
コード:ISBN978-4-06-541634-1
発行元:講談社
「チラシを拝見しました。もしよろしければ、僕の作品を添削していただけないでしょうか?」一通の手紙から始まった、詩を書く少年と文学に詳しい「先生」の奇妙な文通。
「君はこれから、途方もなく広い砂の海から、たった一粒の琥珀を見つけなければいけない」先生の言葉に導かれ、少年は言葉と世界を知っていく。だがある日、手紙のやりとりに潜むかすかな違和感に気づいて……密かな文通は、やがて思わぬ真実へとつながっていく。「先生、先生はどういう人なんですか?」実際の封筒と手紙を一枚ずつ開く体験を通してヨルシカが描く「書簡型小説」。
解説(ネタバレ有り)
ネタバレ有りの解説です。個人の主観も多く混じるため、参考程度にしてもらえればと思います。
超短縮結論
まずは結論から。
今回の小説は「引用癖のある少年が引用はただの手段でしかない」ことに気づく」という物語です。
n-bunaさんも様々なインタビュー記事で上記のように回答していました。
https://natalie.mu/music/pp/yorushika05 (音学ナタリー)など
主人公は詩を作る中で様々な引用します。実際引用すること自体は全く問題ないことだと思いますが、引用だらけで自分の考えや思いが作品に入っていないことが問題なのでしょう。
「あらゆる創作物は盗作といえる」と述べていたn-bunaさんの思想の一貫性を感じます。
もう少し詳しく
もう少し詳しく解説します。
①文通の中で少年が書いた詩をおじさんが添削していく話。少年は引用をして詩を作る癖がある。
②この”詩”=デジタルアルバム二人称の楽曲
③途中妙な違和感が出てくる
④違和感はすべて伏線として回収され、少年は引用がすべてではないことに気づく。
n-bunaさんが作成しただけあり、物語としてももちろん完璧に構成されています。ちゃんと伏線回収されるので読んでいて気持ちいいです。本当に。
詩がすべて二人称の楽曲として登場するのがもう異次元ですよね。最近のn-bunaさんは作詞・作曲・MV作成・演奏・小説家と表現の幅が広すぎて恐ろしいです。
(以下の楽曲はAll Animation by n-buna)
ちなみに忘れてください以降の楽曲では概要欄に「拝啓」から始まる手紙が記載されていますが、それれはすべて小説の二人称に登場します。
さらに詳しく
以下ではさらに詳しくまとめます。
■登場人物
・少年
詩を書いている。学校に行っていない。さまざまな作品を引用して詩を作る。
・先生
詩を添削する。「先生」という呼び方は少年の視点から。
①引きこもりがちな少年がポストに入っているチラシを見つける
②内容は「先生」と称する人から「詩の添削を無料で行う」というもの
③相手がどんな人かわからない状態で少年と先生の詩のやり取りが続く
④このやりとりに出てくる詩が全部そのままデジタルアルバム「二人称」の楽曲になっている。
⑤少年には引用癖がある。自分の言葉で詩を作れない。
⑥途中先生からの手紙に写真が封入されており、そこには住所が書かれていた。調べてみると、「静岡刑務所」
⑦「先生」は過去に犯罪を犯し、現在収監中の服役者だった。
⑧少年の母の知人が「先生」であり、先生は過去に少年の祖父の家で強盗致傷をした。祖父は現在入院中。
⑨猛反省しており、自責の念に駆られている先生。毎週手紙のやり取りをしていたが、しばらく先生から添削の返信が届かなくなる。
⑩返信は届かなくなったが、少年は先生に向けて手紙と詩を送り続ける。
⑪この間に少年は初めて、引用するために言葉を探すのではなく、自分の心を表すために言葉を探して引用して詩を作った。それが「千鳥」。
⑫祖父を傷つけられたが、先生が反省しているのが分かったため、少年は「先生は許されるべきだ」と考えるようになった。
⑬先生からの返信が届かなくなった理由は少年がポストを除くまでに少年の母がポストから手紙を取っていたから。
⑭母は少年に見せるべきではないと判断した部分を切り取ったり、その時の手紙をポストから事前に盗り、少年に手紙を見せないようにしていた。
⑮母の真意を理解した少年。
⑯少年は引きこもりから脱出し、これまで引用でしか詩を作ることができなかったが、初めて引用なしで曲を作った。それが「櫂」。
【作中登場箇所 超ネタバレまとめ】
・途中「そうか、君はこれを見ているんだね」の部分は我々読者に向けられたものではなく、ポストに入っている手紙を少年より先に読んでいた少年の母親に向けて書かれたもの。
・記載されていた住所(先生の居所)は検索すればわかるが、実際の”静岡刑務所”の住所。
・「忘れてください」以降のMVの概要欄に書かれている手紙は全て二人称内に登場する。
・手紙の右下にある桜のマークは検閲済みマーク。刑務所からの手紙であることを示す。
・初めて引用のための言葉ではなく、心を表すために言葉を探して引用した詩が「千鳥」。
・初めて引用なしで作った曲が「櫂」。
・二人称というタイトルの小説を三人称視点(手紙のやり取りを覗き込める視点)で楽しめるのが面白いところ
・そして、二人称を携えたライブ「一人称」に参戦すると一人称視点で自分たちも物語に参加できるいうことになる。
このような流れでした。少年の成長が1つのテーマなのかなと感じました。
今回は引用した文章やそのほかの描写については言及していないので、そのあたりはまた次回追記したいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。ではまた。


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